相続人は誰?
法定相続人とは?
 相続に際しては,まず誰が,相続財産を取得するかが,まず問題になります。
 この場合に,遺言書がある場合、相続財産は,原則として遺言書で指定されたとおりに分割されます。

 しかし,遺言書がない場合には,誰が財産を取得するかについては,民法の規定により決まります。かように法律により相続人となる人のことを「法定相続人」と言います。

 具体的な法定相続人については,以下のチャートで,みれば簡単にわかります。




*1 親がいない場合には,祖父母となります。

相続人が先に死亡していた場合には?
 本来,相続人となるべき人が,先に死亡していた場合には,「代襲相続人(だいしゅうそうぞくにん)が,財産を相続することになります。
 直系卑属であれば,原則として 子 → 孫 → ひ孫 と代襲相続人になります。
 ただし,兄弟姉妹に関しては,代襲相続人となるのは,甥・姪までで,その子供たちまでが代襲相続人となるわけではありません。

 また,相続人が相続放棄をした場合には,その子供たちが代襲相続人になることはないので,注意が必要です。
相続人がいない場合には?
■相続財産管理人
 戸籍上,相続人となるものがいない場合や,相続人全員が相続放棄をしてしまった場合には,一応,相続人が不存在ということになります。
 「一応」というのは,戸籍には載っていないが,実は血のつながった実子がいることが判明することがありえないことでもないからです。

 この場合には,申立により相続財産管理人が選任され,財産の管理をし,相続人を捜索し,債権者へ債務の弁済をしたりします。

 相続財産管理人が選任された後にも,相続人がいない場合には,最終的には,財産は国庫に帰属することになります。

■特別縁故者
 なお,この場合,故人と親しい関係にあったけれども,相続人ではない者に対して「特別縁故者」として財産を与えることもあります。
  特別縁故者と認められるのは、以下の者です。

  特別縁故者
  @故人と生計を同じくしていた者
  A故人の療養看護に努めた者
  Bその他故人と特別の縁故があった者

 内縁の妻などの場合があたります。